ぼくの考えたゴジラ映画
2014年1月31日 特撮・映画 コメント (2)今年はゴジラ生誕60周年なんですね~!
それに合わせてかどうかはわかりませんが、ハリウッド版も今年の夏に公開されます。
http://www.godzilla-movie.jp/
「ジラ」よりはカッコ良さそうで、期待が持てますね。
さて、今日は2次創作ってやつです。
こんな感じのゴジラ映画観たいな~って思いながら昔書いた文章ですが、
60周年を記念してアップしちゃいましょう。
「ゴジラ2014」
序章
初代ゴジラが現れてから60年後の2014年、ゴジラを題材にしたネットゲーム
「シムG」が爆発的にヒットしていた。
世界各地に現れたゴジラを、参加プレイヤーが各種兵器を操縦しながら協力して撃退する
というゲームで、ゲーム内のランクがあがると、より強力な兵器が使えるように
なったり、自分で兵器をデザインできるようになったりする点が人気を博した。
このゲームの開発会社「イースト・ジェムズ」社(EG社)は、実は国連G対策センターの
下部組織で、次にゴジラが現れたときのための撃退計画や新兵器開発のための
ビッグデータ収集・解析を行うためのものであった。ここ数年、原発事故が相次いでおり、
その影響でゴジラが再び現ることを危惧していたからである。
一方、この原発事故の処理に大いに役立ったのが、Global Peace Society(GPS)財団が
開発した「放射性物質無害化システム」である。放射性物質で汚染された水や土壌を
ろ過し、除染することができるものであった。これはG細胞と抗核バクテリアを巧みに
組み合わせたシステムで、G細胞による放射性物質取り込みと、抗核バクテリアによる
除染及びG細胞の抑制というメカニズムに基づくものであった。
物語の主人公、「シムG」での高ランクプレイヤー「DHMO」は、化学を専攻する
助教である。彼は、60年前ゴジラを倒した「オキシジェン・デストロイヤー」を
研究しており、1995年に伊集院博士が研究していた「ミクロ・オキシゲン」の
破壊作用は物理的なものであり、化学的な溶解作用を持つ「オキシジェン・
デストロイヤー」とは原理的に異なるものであると考えていた。
彼は、これまでのゴジラの戦いを詳細に分析した結果、高熱・低温・衝撃・圧力・
レーザーやメーザーなどの物理作用ではゴジラは倒せず、ゴジラを倒せるのは
オキシジェンデストロイヤーやヘドラの溶解液などの化学的作用によるものだと
いう仮説を立てていた。
彼は自分専門分野である有機金属錯体を用いて、超原子価の酸素原子を安定化
させることにより、強力な溶解作用を持つ酸化剤を開発することができるのでは
ないかと考え、「ハイパー・コバレント・オキシダイザー(H-COX)」と名づけ、
研究を始めるとともに、そのアイディアを「シムG」の新兵器部門にエントリーした。
初めのうちは細々とした研究体制であったが、EG社がそのアイディアの実用化の
研究に資金援助を申し出たこともあり、大掛かりな研究体制が整った。
研究が進むうちに、何者かの手によって様々な妨害工作が起こるようになった。
それでも意欲的に研究を進める彼のもとに、GPS財団がさらなる資金援助を
申し出てきた。
実は、GPS財団は表向きは「G細胞の平和利用」を進める団体だったが、その裏では
世界を牛耳る軍需企業が「G細胞の兵器利用」を研究しているのだった。当初は
ゴジラを倒せる兵器の研究を邪魔していたGPS財団であったが、方針を一転、
ゴジラを倒せる兵器こそ究極の兵器となると考え、彼の研究を横取りするのが
目的であった。
GPS財団は、そのほかにもゴジラのクローン化技術の研究や、1975年に真船博士が
開発した生物を電波でコントロールする技術の研究などを秘密裏に進めていた。
第2章
そんな中で事件が起きた。長年稼動を続けていた「放射性物質無害化システム」が
暴走を起こし、G細胞が異常分裂を開始した。抗核バクテリアが処理しきれないほどの
放射性物質を抱え込んだG細胞がガン化して、抗核バクテリアでは抑制できなくなって
しまったのだ。ガン化したG細胞は、G-キャンサーと呼ばれた。
この事態を絶好の実験の機会と考えたGPS財団は、G-キャンサーを研究所に運びこみ、
G細胞をiPS細胞化したGPS細胞から様々な臓器を作製し、生体コントロール装置の
端末を埋め込んだ人造ゴジラ「キャンサラー」を生み出そうとしていた。
キャンサラーは抗核バクテリアも遺伝子的に融合しているため、ゴジラの放射熱線も
吸収する能力があるはず。まさに究極の兵器である。
「H-COX」の研究は最終段階に進んだが、GPS財団の真の目的に気付いた主人公は、
自分の研究を破棄すべきか、さらにGPS財団の企みを阻止すべきかどうか苦悩する。
何のための研究だったのか・・・?一個人が社会の中でできることとは・・・?
その頃、放射性物質無害化システムが機能しなくなっため、放射能による環境汚染が
進み、再びゴジラが目覚めようとしていた・・・
それを察知したGフォースは、研究段階にある未完成の「H-COX」発射装置を搭載した
スーパーX4の準備を開始した・・・
(続きはまた明日に)
それに合わせてかどうかはわかりませんが、ハリウッド版も今年の夏に公開されます。
http://www.godzilla-movie.jp/
「ジラ」よりはカッコ良さそうで、期待が持てますね。
さて、今日は2次創作ってやつです。
こんな感じのゴジラ映画観たいな~って思いながら昔書いた文章ですが、
60周年を記念してアップしちゃいましょう。
「ゴジラ2014」
序章
初代ゴジラが現れてから60年後の2014年、ゴジラを題材にしたネットゲーム
「シムG」が爆発的にヒットしていた。
世界各地に現れたゴジラを、参加プレイヤーが各種兵器を操縦しながら協力して撃退する
というゲームで、ゲーム内のランクがあがると、より強力な兵器が使えるように
なったり、自分で兵器をデザインできるようになったりする点が人気を博した。
このゲームの開発会社「イースト・ジェムズ」社(EG社)は、実は国連G対策センターの
下部組織で、次にゴジラが現れたときのための撃退計画や新兵器開発のための
ビッグデータ収集・解析を行うためのものであった。ここ数年、原発事故が相次いでおり、
その影響でゴジラが再び現ることを危惧していたからである。
一方、この原発事故の処理に大いに役立ったのが、Global Peace Society(GPS)財団が
開発した「放射性物質無害化システム」である。放射性物質で汚染された水や土壌を
ろ過し、除染することができるものであった。これはG細胞と抗核バクテリアを巧みに
組み合わせたシステムで、G細胞による放射性物質取り込みと、抗核バクテリアによる
除染及びG細胞の抑制というメカニズムに基づくものであった。
物語の主人公、「シムG」での高ランクプレイヤー「DHMO」は、化学を専攻する
助教である。彼は、60年前ゴジラを倒した「オキシジェン・デストロイヤー」を
研究しており、1995年に伊集院博士が研究していた「ミクロ・オキシゲン」の
破壊作用は物理的なものであり、化学的な溶解作用を持つ「オキシジェン・
デストロイヤー」とは原理的に異なるものであると考えていた。
彼は、これまでのゴジラの戦いを詳細に分析した結果、高熱・低温・衝撃・圧力・
レーザーやメーザーなどの物理作用ではゴジラは倒せず、ゴジラを倒せるのは
オキシジェンデストロイヤーやヘドラの溶解液などの化学的作用によるものだと
いう仮説を立てていた。
彼は自分専門分野である有機金属錯体を用いて、超原子価の酸素原子を安定化
させることにより、強力な溶解作用を持つ酸化剤を開発することができるのでは
ないかと考え、「ハイパー・コバレント・オキシダイザー(H-COX)」と名づけ、
研究を始めるとともに、そのアイディアを「シムG」の新兵器部門にエントリーした。
初めのうちは細々とした研究体制であったが、EG社がそのアイディアの実用化の
研究に資金援助を申し出たこともあり、大掛かりな研究体制が整った。
研究が進むうちに、何者かの手によって様々な妨害工作が起こるようになった。
それでも意欲的に研究を進める彼のもとに、GPS財団がさらなる資金援助を
申し出てきた。
実は、GPS財団は表向きは「G細胞の平和利用」を進める団体だったが、その裏では
世界を牛耳る軍需企業が「G細胞の兵器利用」を研究しているのだった。当初は
ゴジラを倒せる兵器の研究を邪魔していたGPS財団であったが、方針を一転、
ゴジラを倒せる兵器こそ究極の兵器となると考え、彼の研究を横取りするのが
目的であった。
GPS財団は、そのほかにもゴジラのクローン化技術の研究や、1975年に真船博士が
開発した生物を電波でコントロールする技術の研究などを秘密裏に進めていた。
第2章
そんな中で事件が起きた。長年稼動を続けていた「放射性物質無害化システム」が
暴走を起こし、G細胞が異常分裂を開始した。抗核バクテリアが処理しきれないほどの
放射性物質を抱え込んだG細胞がガン化して、抗核バクテリアでは抑制できなくなって
しまったのだ。ガン化したG細胞は、G-キャンサーと呼ばれた。
この事態を絶好の実験の機会と考えたGPS財団は、G-キャンサーを研究所に運びこみ、
G細胞をiPS細胞化したGPS細胞から様々な臓器を作製し、生体コントロール装置の
端末を埋め込んだ人造ゴジラ「キャンサラー」を生み出そうとしていた。
キャンサラーは抗核バクテリアも遺伝子的に融合しているため、ゴジラの放射熱線も
吸収する能力があるはず。まさに究極の兵器である。
「H-COX」の研究は最終段階に進んだが、GPS財団の真の目的に気付いた主人公は、
自分の研究を破棄すべきか、さらにGPS財団の企みを阻止すべきかどうか苦悩する。
何のための研究だったのか・・・?一個人が社会の中でできることとは・・・?
その頃、放射性物質無害化システムが機能しなくなっため、放射能による環境汚染が
進み、再びゴジラが目覚めようとしていた・・・
それを察知したGフォースは、研究段階にある未完成の「H-COX」発射装置を搭載した
スーパーX4の準備を開始した・・・
(続きはまた明日に)
ぼくの考えたゴジラ映画~続き
2014年1月31日 特撮・映画 コメント (3)第3章
主人公はGPS財団の施設に忍び込み、研究データを一部盗み出す。このデータを元に
「シムG」でシミレーションしてキャンサラー対策を編み出そうと、EG社にデータを
託す主人公。そしてスーパーX4のドッグにて、H-COX発射装置を完成させる。
Gフォースととゴジラの戦いが始まった。多大な被害を受けながらも、奮闘するGフォース。
戦闘機やメーサー車の攻撃が通じないゴジラの前に、政治家はいらつく。
「あんな兵器では通用しないことがわからないのか?」
「お言葉ですが、手をこまねいて何もしないより、街を守るためには何かをせずには
いられないんです!」
「先生、たとえゴジラにとって蚊ほどの攻撃でも、蚊がブンブンいる藪には
近づきたくなくなるかもしれない。それが我々の使命なんです」
Gフォース隊員達が反論する。
そこにスーパーX4が到着。「今度は蚊どころじゃすまないぞ。大アブだ」
放射熱戦を浴びながら、H-COX溶解液を浴びせかけるスーパーX4。
ゴジラの皮膚は白煙を吐きながら溶けていくものの、致命傷を与えるほどではない。
「空気中の酸素で、予想以上にH-COXが失活していくのかもしれない」
「もっと近づいて発射しないと・・・」と主人公。
しかし、こんな状況も想定ずみ。シムGでのシミュレーション通りに作戦を実行する。
至近距離からH-COXを浴びせかけるために、ビル陰に隠れるスーパーX4。
戦車やメーサー車の攻撃で、ゴジラの気をそらさせる。さらに空から戦闘機が。
ゴジラが放射熱戦を吐き終えた隙を狙い、腹部めがけて突進していくスーパーX4。
そして体当たりする直前にH-COXを全量発射する。自爆覚悟の特攻だ。
あばら骨がむき出しになるほど大きなダメージを受けたゴジラは、
機体が溶解して動けなくなったスーパーX4を前に、海に引き返していくのが
精一杯だった。Gフォースの連繋の勝利だ。沸き立つGフォース司令部。
研究班はH-COXの改良案の検討に着手する。
「機体や発射装置が溶けては何にもならない」
「カプセル化して打ち出すようにしては?」
「不活化したH-COX液と活性化剤を別々に噴出させては?」
第4章
一方、主人公が盗み出したデータと良心ある研究員の内部告発によって、
GPS財団にもIAEAの査察が入ることが決定した。
これであの研究を止めることが出来ると、安堵した主人公だったが・・・
IAEAの査察の前に証拠資料を消そうとするGPS財団の責任者。しかし、私欲に
かられた研究者の一人が、資料を持ち去って逃亡を図った後だった。
その研究者も、各国の産業スパイに追われた末殺される。
しかし、息絶える直前に「キャンサラー」の起動装置を作動させる。
「もはやこれまで・・・、だが只では死なん・・・!」
人類の存亡をかけた最後の戦いが始まる・・・
ゴジラより強大・凶悪な怪獣の前に、Gフォースの通常兵器は全く歯が立たない。
「ゴジラには野生の獣同様、生存本能がある。多少でも自ら被害を受ければ
撤退することもあるだろう。しかし、あの怪獣は違う。自らの生存なぞ
考えておらん・・・どうやったら撃退できるんだ・・・?」
もはや完全消滅させるしかない。それが可能なのは新型H-COXなのか?
Gフォースは、シムGで蓄積されたデータに基づいて戦略を立てた。
スーパーX3による冷凍攻撃で動きを止め、スーパーX4のH-COXでトドメだ。
戦略通りに、戦局は進んでいたかのように見えた。そして改良型H-COXが
キャンサラーに発射された!
しかし、ぬめる体表に吸収されただけだった。効かない?
いや。冷凍攻撃でさえ効果は不十分だ。なぜだ?
シムGのデータの再解析を始める担当者。キャンサラーのパラメーターを見る。
「ハイパーSOD?」
「隠しステータスか?なんだこれは?」
「まさか・・・SOD、スーパーオキシドディスムターゼ?」
「自分がH-COXをエントリーした後で、その対抗策としてエントリーされた新技術です」
「超原子価水素を生み出す抗酸化酵素で、H-COXを中和・無害化してしまいます」
「酸素でさえ超原子価にするのはあんなに難しかったのに、それを水素でするなんて・・・」
ガックリする主人公。
おそらくは冷凍攻撃を無力化する技術も研究済みなのに違いない。
GPS財団もシムGで対策を研究していたのだ!
ダメだ、人類はキャンサラーに対抗する術がない。
そこに、聞き覚えのある野獣の咆哮が・・・
さらなる絶望か、それとも新たな希望か・・・
最終章
傷がまだ十分に癒えぬゴジラとキャンサラーの死闘が始まった。
「ゴジラを倒せるのはゴジラだけ。勝つのはどちらだ」
「どちらが勝っても、人類は滅亡だ・・・」
自嘲的なつぶやきが、誰の口からとなく響く。
これまでのシムGのシミレーションでは、キャンサラーの勝率は100%。
ゴジラ最大の武器である放射熱線が効かないのだから当然だ・・・
だが、周囲の空間線量はどんどんあがっていく。
抗核作用が働いていないのか・・・
ゴジラの放射熱線でダメージを受けるキャンサラー。
「もしかしたら、H-COXに対抗するためのハイパーSODが、抗核作用を阻害している
のかもしれない。ならば、ゴジラにもチャンスがある」
新データを入力してもう一度シムGで再計算する主人公。
それでもゴジラの勝率は20%どまりだ。
「だが、ゴジラには野獣の本能がある。もし生きるために必死なら
計算できない何かが作用するかも知れない」
(激闘が続く)
(この辺は、プロレスの3WAYマッチ的なところをじっくり描写してもらいたい)
スーパーX4は、ゴジラを警戒しつつ、キャンサラーに攻撃を加えていく・・・
そして、遂にゴジラのバーンスパイラル熱線がキャンサラーを焼き尽くす!
「低温に強くした分、高温には弱くなってしまったのかも知れないな」
空間線量が低下していることを報告するオペレーター。
「ゴジラがキャンサラー体内にあった放射性物質を吸収しています」
「キャンサラーも、ゴジラにとっては獲物にすぎなかったのか」
「結局ゴジラの勝因は、野獣の本能か・・・」
「ゴジラが海に帰っていくぞ・・・」
「腹が満たされれば巣に帰る。これも野獣の本能だ」
--糸冬--
主人公はGPS財団の施設に忍び込み、研究データを一部盗み出す。このデータを元に
「シムG」でシミレーションしてキャンサラー対策を編み出そうと、EG社にデータを
託す主人公。そしてスーパーX4のドッグにて、H-COX発射装置を完成させる。
Gフォースととゴジラの戦いが始まった。多大な被害を受けながらも、奮闘するGフォース。
戦闘機やメーサー車の攻撃が通じないゴジラの前に、政治家はいらつく。
「あんな兵器では通用しないことがわからないのか?」
「お言葉ですが、手をこまねいて何もしないより、街を守るためには何かをせずには
いられないんです!」
「先生、たとえゴジラにとって蚊ほどの攻撃でも、蚊がブンブンいる藪には
近づきたくなくなるかもしれない。それが我々の使命なんです」
Gフォース隊員達が反論する。
そこにスーパーX4が到着。「今度は蚊どころじゃすまないぞ。大アブだ」
放射熱戦を浴びながら、H-COX溶解液を浴びせかけるスーパーX4。
ゴジラの皮膚は白煙を吐きながら溶けていくものの、致命傷を与えるほどではない。
「空気中の酸素で、予想以上にH-COXが失活していくのかもしれない」
「もっと近づいて発射しないと・・・」と主人公。
しかし、こんな状況も想定ずみ。シムGでのシミュレーション通りに作戦を実行する。
至近距離からH-COXを浴びせかけるために、ビル陰に隠れるスーパーX4。
戦車やメーサー車の攻撃で、ゴジラの気をそらさせる。さらに空から戦闘機が。
ゴジラが放射熱戦を吐き終えた隙を狙い、腹部めがけて突進していくスーパーX4。
そして体当たりする直前にH-COXを全量発射する。自爆覚悟の特攻だ。
あばら骨がむき出しになるほど大きなダメージを受けたゴジラは、
機体が溶解して動けなくなったスーパーX4を前に、海に引き返していくのが
精一杯だった。Gフォースの連繋の勝利だ。沸き立つGフォース司令部。
研究班はH-COXの改良案の検討に着手する。
「機体や発射装置が溶けては何にもならない」
「カプセル化して打ち出すようにしては?」
「不活化したH-COX液と活性化剤を別々に噴出させては?」
第4章
一方、主人公が盗み出したデータと良心ある研究員の内部告発によって、
GPS財団にもIAEAの査察が入ることが決定した。
これであの研究を止めることが出来ると、安堵した主人公だったが・・・
IAEAの査察の前に証拠資料を消そうとするGPS財団の責任者。しかし、私欲に
かられた研究者の一人が、資料を持ち去って逃亡を図った後だった。
その研究者も、各国の産業スパイに追われた末殺される。
しかし、息絶える直前に「キャンサラー」の起動装置を作動させる。
「もはやこれまで・・・、だが只では死なん・・・!」
人類の存亡をかけた最後の戦いが始まる・・・
ゴジラより強大・凶悪な怪獣の前に、Gフォースの通常兵器は全く歯が立たない。
「ゴジラには野生の獣同様、生存本能がある。多少でも自ら被害を受ければ
撤退することもあるだろう。しかし、あの怪獣は違う。自らの生存なぞ
考えておらん・・・どうやったら撃退できるんだ・・・?」
もはや完全消滅させるしかない。それが可能なのは新型H-COXなのか?
Gフォースは、シムGで蓄積されたデータに基づいて戦略を立てた。
スーパーX3による冷凍攻撃で動きを止め、スーパーX4のH-COXでトドメだ。
戦略通りに、戦局は進んでいたかのように見えた。そして改良型H-COXが
キャンサラーに発射された!
しかし、ぬめる体表に吸収されただけだった。効かない?
いや。冷凍攻撃でさえ効果は不十分だ。なぜだ?
シムGのデータの再解析を始める担当者。キャンサラーのパラメーターを見る。
「ハイパーSOD?」
「隠しステータスか?なんだこれは?」
「まさか・・・SOD、スーパーオキシドディスムターゼ?」
「自分がH-COXをエントリーした後で、その対抗策としてエントリーされた新技術です」
「超原子価水素を生み出す抗酸化酵素で、H-COXを中和・無害化してしまいます」
「酸素でさえ超原子価にするのはあんなに難しかったのに、それを水素でするなんて・・・」
ガックリする主人公。
おそらくは冷凍攻撃を無力化する技術も研究済みなのに違いない。
GPS財団もシムGで対策を研究していたのだ!
ダメだ、人類はキャンサラーに対抗する術がない。
そこに、聞き覚えのある野獣の咆哮が・・・
さらなる絶望か、それとも新たな希望か・・・
最終章
傷がまだ十分に癒えぬゴジラとキャンサラーの死闘が始まった。
「ゴジラを倒せるのはゴジラだけ。勝つのはどちらだ」
「どちらが勝っても、人類は滅亡だ・・・」
自嘲的なつぶやきが、誰の口からとなく響く。
これまでのシムGのシミレーションでは、キャンサラーの勝率は100%。
ゴジラ最大の武器である放射熱線が効かないのだから当然だ・・・
だが、周囲の空間線量はどんどんあがっていく。
抗核作用が働いていないのか・・・
ゴジラの放射熱線でダメージを受けるキャンサラー。
「もしかしたら、H-COXに対抗するためのハイパーSODが、抗核作用を阻害している
のかもしれない。ならば、ゴジラにもチャンスがある」
新データを入力してもう一度シムGで再計算する主人公。
それでもゴジラの勝率は20%どまりだ。
「だが、ゴジラには野獣の本能がある。もし生きるために必死なら
計算できない何かが作用するかも知れない」
(激闘が続く)
(この辺は、プロレスの3WAYマッチ的なところをじっくり描写してもらいたい)
スーパーX4は、ゴジラを警戒しつつ、キャンサラーに攻撃を加えていく・・・
そして、遂にゴジラのバーンスパイラル熱線がキャンサラーを焼き尽くす!
「低温に強くした分、高温には弱くなってしまったのかも知れないな」
空間線量が低下していることを報告するオペレーター。
「ゴジラがキャンサラー体内にあった放射性物質を吸収しています」
「キャンサラーも、ゴジラにとっては獲物にすぎなかったのか」
「結局ゴジラの勝因は、野獣の本能か・・・」
「ゴジラが海に帰っていくぞ・・・」
「腹が満たされれば巣に帰る。これも野獣の本能だ」
--糸冬--