「仮面ライダー the first」感想(ネタバレあり)
2012年7月2日 特撮・映画
というわけで、昨日観たthe firstの感想です。酷い映画というものは、良い映画を観たとき以上にいろいろ語りたくなるものです。
最初っから期待してなかったというのは、「再生怪人は弱い」というのと同様「昔の人気作をリメイクした実写映画はツマらない」という法則があるからです。「デビルマン」しかり、「キャシャーン」しかり、「ヤマト」もそうでした。
でもDVDのパッケージ写真がカッコいいんで、やはり観ておこうと決心しました。
ツタヤで50円だったし。
良い点
・ライダーの新しいデザインが、1号2号ともに相当カッコいい。
・特に、高層ビルから飛び降りて、ガラスの破片とともに着地するシーンは、静と動の
対比がとてもハマってて美しかった。
・サイクロン号も、1号2号ともにカッコいい。やっぱりオフローダーよりレーサーが
ライダーには似合う。
・時間軸をずらして2つの物語を並行して描くという手法。Wの最終回と同じ。
ただしその手法が良かったのであって、本作品のストーリーはダメダメ。
惜しい点
・アクションの魅せ方は時代とともに進歩していくものだから、今みると少々見劣りする。
殺陣は、どことなく昔のカンフー映画のように一瞬一瞬止まるところが多く、武芸の型の
ように見えてしまう。今時はもっとノンストップで連続的な立ち回りができるはず。
・その中では、2号ライダーのアクションが目を引いた。2号ライダーは多彩な足技を
使うという点で、1号ライダーと差別化するという狙いは成功していると思う。
クレジットみたら、スーツアクターはマーク武蔵。牙狼でコダマ役の人だ。道理でね。
優れたスーツアクターは、きちんと評価されるべきだと思う。
ダメダメな点
・そもそも「仮面ライダーで『冬ソナ』をやる」って言うけど、それって誰に観て
欲しいんだろう?仮面ライダーのリメイクなら、当然自分たち中年世代の特オタを
ターゲットにしないといけないのに、『冬ソナ』はBBA向け。特オタかつBBA向けって
あまりにもターゲットが狭すぎる。
・で、その『冬ソナ』的なドラマパートだけど、ほんと脚本がクソ。登場人物誰1人
魅力的なヤツがいない。主人公は、「水の伝言」的なトンデモ科学を研究している
ロマンチスト気味で根暗なストーカー気質。ヒロインは、婚約者が死んだってのに、
次々と心変わりするビッチ。三角関係となるライバルは、その婚約者にそっくりの
バブル世代のドラマに出てきそうなナンパ野郎。もう一組のカップルも、自分を不治
の病と信じてヤケッパチな入院患者と、その病室に深夜こっそり忍び込んで花を生ける、
これまたストーカー。皆、気持ち悪いヤツらばっかり。
一体、誰に感情移入すればいいんだよ!?
・俳優陣もパッとしない。主人公はロマンチストな癖に、感情をあまり表に出さない
から演技云々できるキャラでは無いし、ライバルのナンパ野郎は、アグルの藤宮で
相変わらずの棒読みセリフ。ま、デビルマンよりはマシと誉めておこう。
・唯一存在感のある俳優さんは、冒頭でショッカーに殺される石橋蓮司と本田博太郎
だが、凄みがありすぎて悪徳政治家に見えるので、ショッカーって実は悪徳政治家を
暗殺する仕事人なのか?と思わってしまった。こういう役は正義感あふれる善人っぽい
役者さんを使わないとダメだろう。配役ミスだ、もったいない。
・ヒーロー映画に不可欠なカタルシスは全く得られない。悪役の蝙蝠男もクモ男も
憎たらしいヤツだが小物臭いし、ヒーロー側にも感情移入できないので、もう
どうでもいい、いっそのこと相討ちで皆死んじゃえ、って思ったくらいだ。
・細かな設定とか、ショッカーの目的とか突っ込みどころは多々あるけど、それらを
イチイチあげるのも面倒くさい。
他の作品と比較して思ったこと
・「ゴーカイジャーVSギャバン」は、当時のギャバンファン向けとターゲットが明確
だったし、その描写もファンを裏切るものでは無かった。製作者側のギャバンへの
敬愛が感じられた。その点、the firstは・・・
・実はちょっと前から、W関連の作品を時系列順に「仮面ライダースカル」「ビギンズ
ナイト」「W・本編」「AtoZ運命のガイアメモリ」「仮面ライダーアクセル」「仮面
ライダーエターナル」と全部観てきたんだけど、Wの完成度はもう、奇跡的だね。
設定・登場人物・俳優・ライダーやメカのデザイン・アクション・伏線とその回収・
各エピソードとゲストキャラ、あらゆる点で最高だ。その点、the firstは・・・
・この新しいライダースーツ&マスクとサイクロン号で、「新・仮面ライダースピリッツ」
の1号・2号ライダー編を映像化してくれれば最高なのにね・・・それでなくても、
テレビ本編のその後のライダー達の戦いを、ファンを裏切ることなくきちんと描いて
くれれば、たとえ新キャストでもまた観たいと思うファンは一杯いると思う。
おまけ
・このサイクロン号とか、Wのハードボイルダーって、ホンダから実車化して発売して
くれないかなぁ。20台限定とかでもいいから。555フォンやスタグフォンとかも、
携帯電話会社から出してくれれば買ったかも。
最初っから期待してなかったというのは、「再生怪人は弱い」というのと同様「昔の人気作をリメイクした実写映画はツマらない」という法則があるからです。「デビルマン」しかり、「キャシャーン」しかり、「ヤマト」もそうでした。
でもDVDのパッケージ写真がカッコいいんで、やはり観ておこうと決心しました。
ツタヤで50円だったし。
良い点
・ライダーの新しいデザインが、1号2号ともに相当カッコいい。
・特に、高層ビルから飛び降りて、ガラスの破片とともに着地するシーンは、静と動の
対比がとてもハマってて美しかった。
・サイクロン号も、1号2号ともにカッコいい。やっぱりオフローダーよりレーサーが
ライダーには似合う。
・時間軸をずらして2つの物語を並行して描くという手法。Wの最終回と同じ。
ただしその手法が良かったのであって、本作品のストーリーはダメダメ。
惜しい点
・アクションの魅せ方は時代とともに進歩していくものだから、今みると少々見劣りする。
殺陣は、どことなく昔のカンフー映画のように一瞬一瞬止まるところが多く、武芸の型の
ように見えてしまう。今時はもっとノンストップで連続的な立ち回りができるはず。
・その中では、2号ライダーのアクションが目を引いた。2号ライダーは多彩な足技を
使うという点で、1号ライダーと差別化するという狙いは成功していると思う。
クレジットみたら、スーツアクターはマーク武蔵。牙狼でコダマ役の人だ。道理でね。
優れたスーツアクターは、きちんと評価されるべきだと思う。
ダメダメな点
・そもそも「仮面ライダーで『冬ソナ』をやる」って言うけど、それって誰に観て
欲しいんだろう?仮面ライダーのリメイクなら、当然自分たち中年世代の特オタを
ターゲットにしないといけないのに、『冬ソナ』はBBA向け。特オタかつBBA向けって
あまりにもターゲットが狭すぎる。
・で、その『冬ソナ』的なドラマパートだけど、ほんと脚本がクソ。登場人物誰1人
魅力的なヤツがいない。主人公は、「水の伝言」的なトンデモ科学を研究している
ロマンチスト気味で根暗なストーカー気質。ヒロインは、婚約者が死んだってのに、
次々と心変わりするビッチ。三角関係となるライバルは、その婚約者にそっくりの
バブル世代のドラマに出てきそうなナンパ野郎。もう一組のカップルも、自分を不治
の病と信じてヤケッパチな入院患者と、その病室に深夜こっそり忍び込んで花を生ける、
これまたストーカー。皆、気持ち悪いヤツらばっかり。
一体、誰に感情移入すればいいんだよ!?
・俳優陣もパッとしない。主人公はロマンチストな癖に、感情をあまり表に出さない
から演技云々できるキャラでは無いし、ライバルのナンパ野郎は、アグルの藤宮で
相変わらずの棒読みセリフ。ま、デビルマンよりはマシと誉めておこう。
・唯一存在感のある俳優さんは、冒頭でショッカーに殺される石橋蓮司と本田博太郎
だが、凄みがありすぎて悪徳政治家に見えるので、ショッカーって実は悪徳政治家を
暗殺する仕事人なのか?と思わってしまった。こういう役は正義感あふれる善人っぽい
役者さんを使わないとダメだろう。配役ミスだ、もったいない。
・ヒーロー映画に不可欠なカタルシスは全く得られない。悪役の蝙蝠男もクモ男も
憎たらしいヤツだが小物臭いし、ヒーロー側にも感情移入できないので、もう
どうでもいい、いっそのこと相討ちで皆死んじゃえ、って思ったくらいだ。
・細かな設定とか、ショッカーの目的とか突っ込みどころは多々あるけど、それらを
イチイチあげるのも面倒くさい。
他の作品と比較して思ったこと
・「ゴーカイジャーVSギャバン」は、当時のギャバンファン向けとターゲットが明確
だったし、その描写もファンを裏切るものでは無かった。製作者側のギャバンへの
敬愛が感じられた。その点、the firstは・・・
・実はちょっと前から、W関連の作品を時系列順に「仮面ライダースカル」「ビギンズ
ナイト」「W・本編」「AtoZ運命のガイアメモリ」「仮面ライダーアクセル」「仮面
ライダーエターナル」と全部観てきたんだけど、Wの完成度はもう、奇跡的だね。
設定・登場人物・俳優・ライダーやメカのデザイン・アクション・伏線とその回収・
各エピソードとゲストキャラ、あらゆる点で最高だ。その点、the firstは・・・
・この新しいライダースーツ&マスクとサイクロン号で、「新・仮面ライダースピリッツ」
の1号・2号ライダー編を映像化してくれれば最高なのにね・・・それでなくても、
テレビ本編のその後のライダー達の戦いを、ファンを裏切ることなくきちんと描いて
くれれば、たとえ新キャストでもまた観たいと思うファンは一杯いると思う。
おまけ
・このサイクロン号とか、Wのハードボイルダーって、ホンダから実車化して発売して
くれないかなぁ。20台限定とかでもいいから。555フォンやスタグフォンとかも、
携帯電話会社から出してくれれば買ったかも。
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