ファンタジーバトル大作「スノーホワイト」(ネタバレあり)
2012年7月17日 特撮・映画この連休中観た映画です。
賛否両論ありのバトル映画に改変された白雪姫ですけど、ファンタジーゲーム好きに
とってはなかなか面白映画になっているのではないでしょうか。
以下ストーリーの詳細です。
<ストーリー>(自分の脳内補完あり、記憶違いもあるかも)
物語の序盤は白雪姫のまま。違う点は、王子様的ポジションに幼馴染の公爵の息子。
スノーは王女様で、この物語には王国が一つしか出てこないので、ロマンスの相手が王子様
ではモラル的によろしくないのだ。ま、別に隣の王国の王子でも良かったんだろうけど。
スノーが小さい頃、スノーの実母である王妃が亡くなり、失望した王様は闇の軍勢の捕虜
となっていた美しい女に惚れてしまい、新たに妃とする。しかし実は彼女は闇の軍勢を
総べる魔女であり、初夜に王を殺害し、闇の軍勢をお城に招き入れ、女王として王国を
支配するようになる。スノーはお城の塔に幽閉されたまま成長し、公爵は自分の城で
領民を守りながら女王に抵抗を続けていた、という感じで本編がスタートする。
魔女の魔法の源は美しい女の若さで、美しい女性を捕えては若さを吸い取り、自身を
若返らせる。それを知ったスノーは脱獄を決意し、牢番をうまくだまして城から逃げ出す。
魔女はどうしたらこの若さを永遠のものにできるか、鏡に問いかけると「最も美しい乙女、
スノーの心臓を食べることだ」と言う。
だけどそれを知ったのは、スノーが脱獄した後だった!!
スノーの追っ手に凄腕のハンターが選ばれる。彼の妻は闇の軍勢に殺されたのだけど、
女王の魔法なら蘇らせることができる、とだましてスノーを追跡させる。
しかし、ハンターはスノーを見つけるとあっさりスノー側に寝返る。
ま、追っ手のリーダーである魔女の弟が「偉大な女王様でも死者を甦らせるのはできん」
などとバラすからだ。
公爵様なら女王の軍勢に対抗できるかも、と二人は公爵領に向かう。
この辺は、指輪物語チックだ。
一方公爵の息子は単独行動で、スノー探索に向かう。
途中追っ手の一団を見つけ、傭兵として追っ手の一団に加わる。
スノーとハンターの二人は、途中顔に傷のある女ばかりの村で休息をとる。
顔に傷のある醜い女は、女王に狙われずにすむからだ。村人からスノーが王女と聞いて
動揺するハンター。面倒なことになったと思い、夜中に逃げ出すハンター。
しかし追っ手の一団に襲撃され、村は焼け落ちる。その火に気付いて引き返すハンター。
危機一髪スノーを救いだし(実は公爵の息子の手助けもあったのだが)、旅を続ける二人。
この辺は、スターウォーズのハン・ソロそっくり。
公爵領に行くには、黒の森という不思議な森を抜けなければならない。
その入り口で森の番人たる(なぜか)8人のドワーフと知り合う。
この不思議な森が、唯一乙女チックなファンタジーの雰囲気。鳥や蝶、妖精が飛び交い、
森の主の白いヘラジカがスノーを祝福する。
しかし、その平穏も追っ手の一団によって破られる。激しい戦闘になり、中ボスの
魔女の弟と対決。魔女の弟も不死体質なのだけど、ハンターは魔女の弟を切り株に
串刺しにして動けなくする。魔女と弟はリンクしているらしいが、魔女の魔力が切れ
かかっているため(美しい女性が少なくなっているから)あっさり見殺しにされる。
この戦いでドワーフが1人死ぬ。だから最初は8人だったのだ!
追っ手の一団に潜入していた公爵の息子もここで仲間になる。
さらに旅は続く。魔女は最後の魔力を振り絞ってカラスの大群に変身、スノーを追う。
一行は雪山の(もしくは冬になって降雪した)場面。ますます指輪チックだ。
あっちにもサルマンがカラスの大群を差し向けたり、雪山の場面があった。
雪の中で野営中、なぜか公爵の息子とスノーが二人きり。ロマンチックな雰囲気で
思わずキスをする。慌ててスノーが取り繕うが、キザに昔の思い出を語りだす公爵息子。
昔リンゴの木に登って食べたよね、と言ってリンゴを出す。この時点で観客にはわかって
しまうが、そこは物語通り、リンゴを食べて苦しむスノー。正体を明かす魔女。
なぜか勝ち誇って「私の闇の魔法を打ち砕くのがお前の生き血なら、私の闇の魔法を
完成させるのもお前の乙女の血」などと、口走ってしまう!壮大なネタバレだ!
心臓をくりぬこうとする魔女。そこへヒーロー見参!ハンターと公爵息子が魔女を
追い払う。この間ドワーフ達の姿は全く無し。寒さに弱いのか、地下に潜っていたのか?
命からがら城に逃げ帰る魔女。息も絶え絶え、顔にも醜いしわが増え、苦しそうだ。
だが、なんとかエネルギー(つまり若い女性)を補給して若返る魔女。
いよいよ山場、ラストバトルに備えているのか?
一行はスノーをなんとか治療しようとする。公爵息子のキスも空しく息絶えるスノー。
公爵領の教会の広間に静置されるスノーに対し、一人愛をささやくハンター。
そして死体?にキスして、広間を去る。
翌朝、今からどうするかを激論する公爵様と息子。そこに生き返ったスノーが!
驚きもせず、不思議にも思わず、恐がりもせず、単に喜びあう皆の衆。
「魔女の呪いが解けたのだ!」で皆納得。
ま、魔女はスノーを殺したら自分の目的が果たせなくなるわけだし、抵抗できなく
した上で心臓をくりぬくという手順を予定してたと考えたら、単に金縛りか仮死状態
にする魔法だったのだろう。持続時間も長い必要は無い。
さらにスノーが皆の衆に演説を始める。「今こそ戦うのです!」
かくして鎧を身にまとった戦う乙女の誕生だ。
騎士を500騎ほど率いて魔女の城に向かう。公爵領に来るまではあんなに長旅だった
のに、馬ならあっと言う間だ。残念ながら、指輪物語第三部「王の帰還」で見られた
ようなカッコいい攻城兵器は全く無し。騎馬だけでどうやって城を落とすかと言えば、
腕のよい鉱夫であるドワーフ達が城の水路を抜けて侵入し、門を開けるという算段。
作戦らしい作戦はこれだけだ。
城は入り江の先端の岬にあるような感じ。だから近づくのに身を隠すところは無いし、
ただ海岸を全力で駆け抜けるしか無い。
一方迎え撃つ闇の軍勢は、城からカタパルトやトレブクト(トレビュシェット)で
火弾を打ち出す。火をつけた岩が着地とともに爆発するわけないけど、そこは映画、
あちこち爆発しながら海岸を駆け抜ける鎧騎士たちの姿がカッコいいのでOKだ。
このへんはむしろ仮面ライダー的でさえある。
近づいても門はなかなか開かない。油や矢を浴びせかけられ、苦戦する騎士たち。
そこでようやくドワーフ達が門を開けるのに成功し、騎士たちは一斉になだれ込む。
戦闘の見せ場はまだまだ続く。門に入ると今度はその門を封じられないよう、
盾部隊が陣を組む。その後ろの隙間から次々と騎士たちが城内に入ってくる。
このビジュアルは、なかなか新鮮だった。
盾部隊の活躍はレッドクリフにもあったけど、これはその西洋版だ。
城内では乱戦。それを尻目に、女王の間に単独で侵入するスノー。
いよいよラスボスとの対決だ。
女騎士と魔女の対決。魔女はMPを回復したばかり。片や、女騎士は少女時代から塔に
幽閉されているわけで、体力も技術も無い。その差は歴然。あっという間に組み伏せられる。
ヒーロー達も、倒しても倒しても甦る本性を現した闇の軍勢に押されている。絶体絶命だ!
「お前の父は、私を王国に招き入れて皆に死をもたらした。お前は、この騎士たちを
死の戦いに導いた。親子ともに不幸よの~」みたいなことを言って勝ち誇る魔女。
しかし、グッと腹に突き刺さる短刀。不死のはずなのに何故?
「お前の闇の魔法を打ち砕くのは私の生き血!」と高ぶるスノー。
おそらくは、短刀の刀身を手で握ったまま魔女の腹に突き立てたようだ。
短刀を引き抜こうとする魔女だが、スノーはさらにそれを押し込む。
魔女は、次第に力が弱くなり顔がどんどん老けていく。闇の軍勢も砕け散っていく。
スノーが勝ったのだ。
戦いが終わり、スノーは女王に即位した。
万歳三唱を唱える皆の衆。会場の中にハンターの姿を見て微笑むスノー。
何と、この映画は三部作の第一部となる予定だとか。魔女は甦るんだろうな・・・
続編作られるのか?それともライラの冒険のように中断してしまうのか?
<感想>
第一印象は、スターウォーズや指輪物語が好きな人が、白雪姫をヒントにRPGのシナリオ
書いたらこうなるだろうな、って感じ。自分もそうだから。
随所にこれまでの色んな映画を連想させるシーンが入っているし、展開もゲーム的だ。
その点自体は悪いことではないし、娯楽作品としてはOKだと思う。
やっぱり、最大の欠点は・・・ヒロインが可愛くないところだろう。
いや、女優さんは多分普通に見れば綺麗だと思うけど、魔女が美しすぎて存在感が
ありすぎて、魔女が羨ましがるほどの美女というには、やっぱり残念なのだ。
戦う美女としては、「ジャンヌダルク」や「バイオハザード」のミラ・ジョボビッチや
「キングアーサー」のキーラ・ナイトレイが印象的だったけど、最も美しい乙女とか
言うなら、それ以上のものを期待してしまうものだ。
見どころは特撮、と言うよりCG。魔女がどんどん若返ったり老けたりするシーン。
カラスの大群に変身したり戻ったりするシーン。闇の軍勢の正体は、黒いガラスの破片の
集まりみたいなやつで、割れたり復元したり。最近の映画のCG技術はホントすごい。
モンスターは旅の途中で出会うトロールのみ。少々物足りない気もするが、それくらいが
ちょうど良いのかも。
そして合戦シーン。鎧姿の騎士はやっぱりカッコいいし、騎馬も馬用鎧で固めている。
それがスピーディに走り回ったりアクションしたり。
もう一人の主人公、ハンターは革鎧姿でメインの武器は斧と、他の騎士達とは一味違う。
投げ斧も使う。剣を主に使う主人公の映画が多い中、これは意外に新鮮だった。
ドワーフ達は、つるはしがメインの武器。指輪物語のギムリと違って、ホビット達に
近い感じの描かれ方だ。
合戦シーンは上出来だが、個人戦がイマイチだった。ハンターや公爵息子の活躍の場も
もう少しあっても良かったんじゃないかな。
女の戦いは、あまり見応えは無かった。ま、マトリックスのようにバシバシアクション
されても不自然だし、あれはしょうがない。だからこそその分もっと男たちが戦いの場で
活躍してほしかった。
魔女は勝ち誇るのが早すぎ。そのせいで弱点まで自らバラしてしまうし。
戦う相手の生き血が弱点なのだからタイマンも避けるべきなのに、相手の流血すら構わず
ビシバシ打撃してダメージを与えるし。魔女ならもっと計算高くやらないと。
尺は2時間ちょっとで、長すぎず、娯楽作品としてはちょうど良い。
公爵領にたどり着くまでが長すぎて、それからがあっという間の展開だったけど、
これ以上長くするのはかえって良くないはず。
指輪物語三部作の完成度には遠く及ばないけど、そこそこ楽しい映画だと思います。
賛否両論ありのバトル映画に改変された白雪姫ですけど、ファンタジーゲーム好きに
とってはなかなか面白映画になっているのではないでしょうか。
以下ストーリーの詳細です。
<ストーリー>(自分の脳内補完あり、記憶違いもあるかも)
物語の序盤は白雪姫のまま。違う点は、王子様的ポジションに幼馴染の公爵の息子。
スノーは王女様で、この物語には王国が一つしか出てこないので、ロマンスの相手が王子様
ではモラル的によろしくないのだ。ま、別に隣の王国の王子でも良かったんだろうけど。
スノーが小さい頃、スノーの実母である王妃が亡くなり、失望した王様は闇の軍勢の捕虜
となっていた美しい女に惚れてしまい、新たに妃とする。しかし実は彼女は闇の軍勢を
総べる魔女であり、初夜に王を殺害し、闇の軍勢をお城に招き入れ、女王として王国を
支配するようになる。スノーはお城の塔に幽閉されたまま成長し、公爵は自分の城で
領民を守りながら女王に抵抗を続けていた、という感じで本編がスタートする。
魔女の魔法の源は美しい女の若さで、美しい女性を捕えては若さを吸い取り、自身を
若返らせる。それを知ったスノーは脱獄を決意し、牢番をうまくだまして城から逃げ出す。
魔女はどうしたらこの若さを永遠のものにできるか、鏡に問いかけると「最も美しい乙女、
スノーの心臓を食べることだ」と言う。
だけどそれを知ったのは、スノーが脱獄した後だった!!
スノーの追っ手に凄腕のハンターが選ばれる。彼の妻は闇の軍勢に殺されたのだけど、
女王の魔法なら蘇らせることができる、とだましてスノーを追跡させる。
しかし、ハンターはスノーを見つけるとあっさりスノー側に寝返る。
ま、追っ手のリーダーである魔女の弟が「偉大な女王様でも死者を甦らせるのはできん」
などとバラすからだ。
公爵様なら女王の軍勢に対抗できるかも、と二人は公爵領に向かう。
この辺は、指輪物語チックだ。
一方公爵の息子は単独行動で、スノー探索に向かう。
途中追っ手の一団を見つけ、傭兵として追っ手の一団に加わる。
スノーとハンターの二人は、途中顔に傷のある女ばかりの村で休息をとる。
顔に傷のある醜い女は、女王に狙われずにすむからだ。村人からスノーが王女と聞いて
動揺するハンター。面倒なことになったと思い、夜中に逃げ出すハンター。
しかし追っ手の一団に襲撃され、村は焼け落ちる。その火に気付いて引き返すハンター。
危機一髪スノーを救いだし(実は公爵の息子の手助けもあったのだが)、旅を続ける二人。
この辺は、スターウォーズのハン・ソロそっくり。
公爵領に行くには、黒の森という不思議な森を抜けなければならない。
その入り口で森の番人たる(なぜか)8人のドワーフと知り合う。
この不思議な森が、唯一乙女チックなファンタジーの雰囲気。鳥や蝶、妖精が飛び交い、
森の主の白いヘラジカがスノーを祝福する。
しかし、その平穏も追っ手の一団によって破られる。激しい戦闘になり、中ボスの
魔女の弟と対決。魔女の弟も不死体質なのだけど、ハンターは魔女の弟を切り株に
串刺しにして動けなくする。魔女と弟はリンクしているらしいが、魔女の魔力が切れ
かかっているため(美しい女性が少なくなっているから)あっさり見殺しにされる。
この戦いでドワーフが1人死ぬ。だから最初は8人だったのだ!
追っ手の一団に潜入していた公爵の息子もここで仲間になる。
さらに旅は続く。魔女は最後の魔力を振り絞ってカラスの大群に変身、スノーを追う。
一行は雪山の(もしくは冬になって降雪した)場面。ますます指輪チックだ。
あっちにもサルマンがカラスの大群を差し向けたり、雪山の場面があった。
雪の中で野営中、なぜか公爵の息子とスノーが二人きり。ロマンチックな雰囲気で
思わずキスをする。慌ててスノーが取り繕うが、キザに昔の思い出を語りだす公爵息子。
昔リンゴの木に登って食べたよね、と言ってリンゴを出す。この時点で観客にはわかって
しまうが、そこは物語通り、リンゴを食べて苦しむスノー。正体を明かす魔女。
なぜか勝ち誇って「私の闇の魔法を打ち砕くのがお前の生き血なら、私の闇の魔法を
完成させるのもお前の乙女の血」などと、口走ってしまう!壮大なネタバレだ!
心臓をくりぬこうとする魔女。そこへヒーロー見参!ハンターと公爵息子が魔女を
追い払う。この間ドワーフ達の姿は全く無し。寒さに弱いのか、地下に潜っていたのか?
命からがら城に逃げ帰る魔女。息も絶え絶え、顔にも醜いしわが増え、苦しそうだ。
だが、なんとかエネルギー(つまり若い女性)を補給して若返る魔女。
いよいよ山場、ラストバトルに備えているのか?
一行はスノーをなんとか治療しようとする。公爵息子のキスも空しく息絶えるスノー。
公爵領の教会の広間に静置されるスノーに対し、一人愛をささやくハンター。
そして死体?にキスして、広間を去る。
翌朝、今からどうするかを激論する公爵様と息子。そこに生き返ったスノーが!
驚きもせず、不思議にも思わず、恐がりもせず、単に喜びあう皆の衆。
「魔女の呪いが解けたのだ!」で皆納得。
ま、魔女はスノーを殺したら自分の目的が果たせなくなるわけだし、抵抗できなく
した上で心臓をくりぬくという手順を予定してたと考えたら、単に金縛りか仮死状態
にする魔法だったのだろう。持続時間も長い必要は無い。
さらにスノーが皆の衆に演説を始める。「今こそ戦うのです!」
かくして鎧を身にまとった戦う乙女の誕生だ。
騎士を500騎ほど率いて魔女の城に向かう。公爵領に来るまではあんなに長旅だった
のに、馬ならあっと言う間だ。残念ながら、指輪物語第三部「王の帰還」で見られた
ようなカッコいい攻城兵器は全く無し。騎馬だけでどうやって城を落とすかと言えば、
腕のよい鉱夫であるドワーフ達が城の水路を抜けて侵入し、門を開けるという算段。
作戦らしい作戦はこれだけだ。
城は入り江の先端の岬にあるような感じ。だから近づくのに身を隠すところは無いし、
ただ海岸を全力で駆け抜けるしか無い。
一方迎え撃つ闇の軍勢は、城からカタパルトやトレブクト(トレビュシェット)で
火弾を打ち出す。火をつけた岩が着地とともに爆発するわけないけど、そこは映画、
あちこち爆発しながら海岸を駆け抜ける鎧騎士たちの姿がカッコいいのでOKだ。
このへんはむしろ仮面ライダー的でさえある。
近づいても門はなかなか開かない。油や矢を浴びせかけられ、苦戦する騎士たち。
そこでようやくドワーフ達が門を開けるのに成功し、騎士たちは一斉になだれ込む。
戦闘の見せ場はまだまだ続く。門に入ると今度はその門を封じられないよう、
盾部隊が陣を組む。その後ろの隙間から次々と騎士たちが城内に入ってくる。
このビジュアルは、なかなか新鮮だった。
盾部隊の活躍はレッドクリフにもあったけど、これはその西洋版だ。
城内では乱戦。それを尻目に、女王の間に単独で侵入するスノー。
いよいよラスボスとの対決だ。
女騎士と魔女の対決。魔女はMPを回復したばかり。片や、女騎士は少女時代から塔に
幽閉されているわけで、体力も技術も無い。その差は歴然。あっという間に組み伏せられる。
ヒーロー達も、倒しても倒しても甦る本性を現した闇の軍勢に押されている。絶体絶命だ!
「お前の父は、私を王国に招き入れて皆に死をもたらした。お前は、この騎士たちを
死の戦いに導いた。親子ともに不幸よの~」みたいなことを言って勝ち誇る魔女。
しかし、グッと腹に突き刺さる短刀。不死のはずなのに何故?
「お前の闇の魔法を打ち砕くのは私の生き血!」と高ぶるスノー。
おそらくは、短刀の刀身を手で握ったまま魔女の腹に突き立てたようだ。
短刀を引き抜こうとする魔女だが、スノーはさらにそれを押し込む。
魔女は、次第に力が弱くなり顔がどんどん老けていく。闇の軍勢も砕け散っていく。
スノーが勝ったのだ。
戦いが終わり、スノーは女王に即位した。
万歳三唱を唱える皆の衆。会場の中にハンターの姿を見て微笑むスノー。
何と、この映画は三部作の第一部となる予定だとか。魔女は甦るんだろうな・・・
続編作られるのか?それともライラの冒険のように中断してしまうのか?
<感想>
第一印象は、スターウォーズや指輪物語が好きな人が、白雪姫をヒントにRPGのシナリオ
書いたらこうなるだろうな、って感じ。自分もそうだから。
随所にこれまでの色んな映画を連想させるシーンが入っているし、展開もゲーム的だ。
その点自体は悪いことではないし、娯楽作品としてはOKだと思う。
やっぱり、最大の欠点は・・・ヒロインが可愛くないところだろう。
いや、女優さんは多分普通に見れば綺麗だと思うけど、魔女が美しすぎて存在感が
ありすぎて、魔女が羨ましがるほどの美女というには、やっぱり残念なのだ。
戦う美女としては、「ジャンヌダルク」や「バイオハザード」のミラ・ジョボビッチや
「キングアーサー」のキーラ・ナイトレイが印象的だったけど、最も美しい乙女とか
言うなら、それ以上のものを期待してしまうものだ。
見どころは特撮、と言うよりCG。魔女がどんどん若返ったり老けたりするシーン。
カラスの大群に変身したり戻ったりするシーン。闇の軍勢の正体は、黒いガラスの破片の
集まりみたいなやつで、割れたり復元したり。最近の映画のCG技術はホントすごい。
モンスターは旅の途中で出会うトロールのみ。少々物足りない気もするが、それくらいが
ちょうど良いのかも。
そして合戦シーン。鎧姿の騎士はやっぱりカッコいいし、騎馬も馬用鎧で固めている。
それがスピーディに走り回ったりアクションしたり。
もう一人の主人公、ハンターは革鎧姿でメインの武器は斧と、他の騎士達とは一味違う。
投げ斧も使う。剣を主に使う主人公の映画が多い中、これは意外に新鮮だった。
ドワーフ達は、つるはしがメインの武器。指輪物語のギムリと違って、ホビット達に
近い感じの描かれ方だ。
合戦シーンは上出来だが、個人戦がイマイチだった。ハンターや公爵息子の活躍の場も
もう少しあっても良かったんじゃないかな。
女の戦いは、あまり見応えは無かった。ま、マトリックスのようにバシバシアクション
されても不自然だし、あれはしょうがない。だからこそその分もっと男たちが戦いの場で
活躍してほしかった。
魔女は勝ち誇るのが早すぎ。そのせいで弱点まで自らバラしてしまうし。
戦う相手の生き血が弱点なのだからタイマンも避けるべきなのに、相手の流血すら構わず
ビシバシ打撃してダメージを与えるし。魔女ならもっと計算高くやらないと。
尺は2時間ちょっとで、長すぎず、娯楽作品としてはちょうど良い。
公爵領にたどり着くまでが長すぎて、それからがあっという間の展開だったけど、
これ以上長くするのはかえって良くないはず。
指輪物語三部作の完成度には遠く及ばないけど、そこそこ楽しい映画だと思います。
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