ロンドン五輪の話です。大学時代に柔道をやっていたこともあり、今週は柔道を主に
観戦していたのですが、相変わらず国際柔道の審判は酷いです。4年に1回の大会で
この有様では、選手たちもお気の毒だと思います。

柔道の誤審問題と言えば、2000年シドニーでの篠原選手の決勝戦が有名で、そのことが
きっかけで、ビデオ判定やジュリー制度が導入されたらしいのですが、肝心の審判の
レベルは全く向上してないように見えます。誤審を少なくするには、誤審を後から
訂正するシステムを導入するだけではだめで、やはり審判のレベルの向上に最も
力を入れるべきなのではないでしょうか。

実際試合では素人目で見ても、「待て」がかかるタイミングや柔道着を整えるよう指示を
出すか出さないかなどが、審判によってまちまちなのがわかります。技の判定や「指導」
を出すか出さないかに関しても、首をひねりたくなることがしばしばあります。
ホントにこの人たちは、審判としてのトレーニングをきちんと積んでいるのでしょうか?

審判の権威は、審判の技量によってのみ高められるものであると自分は思います。


そんなことを考えていると、マジックのジャッジのレベル分けとか、認定試験とかは
ジャッジの技量を高め、できるだけジャッジの質を均一にしようとする試みとして
とても合理的のように思えます。

審判の技量により審判の権威を保証し、それによって大会の権威をも保証する。
そんな意志が感じられますね。

アメリカ人の国民性に、合理性・エンターテインメント性・公平性を重視するという
ものがあると自分は思ってます。アメリカ生まれの競技らしく、マジックのルールや
大会運営には、この哲学が根付いているように感じられます。

同じくアメリカ生まれの競技であるアメフトも、この哲学が徹底されています。
例えば、誤審を訂正するためのビデオ判定もルールできちんと定められています。


1.監督が審判に抗議をしたいときは、次のプレイが始まるまでに赤いフラッグを
フィールドに投げ入れる。これをチャレンジと言う。

2.ただし前半・後半に2回ずつしかできない(2回とも成功した場合のみ3回目が
可能となる)

3.審判は、ビデオ判定を60秒以内に下さなければならない。

4.ビデオのリプレイ映像は球場のモニターに映し出され、選手や観客も見ることが
できる。

5.フィールドで下された判定が明確に否定されるだけの証拠が映っている場合のみ
判定が覆る。

6.判定が覆されればチャレンジ成功。覆されなければ失敗でタイムアウトの回数を
1つ失うというペナルティが課される。従ってタイムアウトの回数が残ってなければ
チャレンジそのものもできない。


このように、失敗のリスクを負わせることで限定的ながら審判への抗議の権利を
認めているわけです。これはこれでゲームの一部なわけで、観ているほうも
このやりとりすら観戦の楽しみの一つなのです。

また、ゲームの行方を左右するような重大な判定の場合も、審判自らの判断でビデオ
判定を行います。それ以外のケースでは、審判の判定が覆されることはほとんど
ありませんので、審判の権威もきちんと守られるわけです。

このようにすれば、ゴネ得狙いの不必要な抗議もなく、ゲームの中断も最小限。
素晴らしいシステムですね。


このようなシステマチックなビデオ判定ではなく、映像も公開されず、その判定が
覆される過程も明らかにならず、単に新たな判定を下すのみでは、審判の権威を
守ることなんてできるないですよね・・・

審判の技量向上の兆しも見えず、新たに導入されたビデオ判定もこのざまでは、
悲しい限りです。

コメント

まる@POY
2012年7月31日22:04

自分もオリンピックの審判は素人しかいないのかと思います。

あれなら、全てビデオ判定にしたほうがいいような。

ガ0-
2012年8月1日7:43

まるさん、コメントありがとうございます。

柔道に限らず、今回のオリンピックは審判の判定で問題になることが多すぎますね。

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