土曜が映画の日だったので、映画館に行ってきました。

公開されてから随分経つのに、前列1~2列を除いてほぼ満席。
評判が良いと聞いていたけど、県内の映画館でこんなに入っているなんて
考えられないくらいで、ビックリしました。


さて映画は、と言うと・・・


映像は素晴らしい。日本の一般映画でここまで造り込んでいるとは驚きです。
ゼロ戦はもちろんですが空母の描写が特に素晴らしいけど、メカだけでなく
空戦の背景や海の表現、どれも日本映画のCGとは思えないレベルです。

ただ、ゼロ戦が海上でなく陸地の上で空戦を繰り広げていたシーンには、違和感・・・
ま、これは演出やストーリーの問題で、映像の素晴らしさを否定するものではありません。


役者の演技も素晴らしい。
岡田准一はジャニーズというくくりからは想像以上の役者魂を魅せてくれます。
田中泯、橋爪功らのオジ(イ)様方の演技も白熱してて、ベテランの味を魅せてくれます。


物語の構造も、いろんな人から主人公のエピソードを聞いて回る、というスタイルなので、
一つのイベントを多角的に再現する「バンテージ・ポイント」のような面白さがあります。
これなら同一CGシーンを繰り返し使っても許されるでしょう。






ここからネタバレを含みますし、悪口になります。
ファンの方と未見の方はご遠慮下さい。










ストーリーがもうダメダメ!最低レベル。クソ映画。

主人公は凄腕のパイロットなのに、「いのちをだいじに」とばかり、いざ戦闘になると
上空に逃げてしまう、という設定・・・?

途中までは、実は凄腕だからこそ全く被弾せずに帰還してくるのであって、主人公を
良く思ってない連中が流したただの噂、だと脳内補完して観てました。

そうでなければ、それは敵前逃亡のはずで、すぐに調査が入って良くて独房入り、
普通は銃殺レベルの大問題になるほどの行為です。
戦果を挙げているからこそそうならないわけで、つまり上層部はエースと認めている
のだろう、と思って観てました。

小隊長を任されている人なんですよ、主人公は!



ところが、上官や大勢観ている前で「いのちをだいじに」と強く訴える・・・!
軍の士気に関わるそんな事態を、上層部が黙っているわけないです。


そんな違和感が常にあって、とても主人公に共感できませんでした。



こういうところが日本映画やドラマの弱点なんです。
組織をきっちり描けない。

軍隊でも警察でも会社でも病院でも、組織を不条理な存在として描くことはあっても、
組織は組織の論理を持って行動する、ってことを描けないんです。

「組織に反発する主人公、カッケー」レベルのストーリーしか描けないんですね・・・
組織は、ただ単に主人公のすることを邪魔するだけの存在としか描かれないんです。



ラブストーリーのパートは、もう気持ち悪いとしか言いようがない。

主人公の犠牲で生き残った部下が、主人公の妻子を訪ねるわけです。
最初は「もう私たちに構わないでください」と部下を拒絶する妻。

それでも恩返しと誠意と熱意で、繰り返し訪問する部下。
いつの間にかそれが当たり前になって、交流が始まって・・・

でもこれではいけないと決意する妻。
「もう、あなたの人生を犠牲にしないで」

「ここに来ることが自分の喜びなんです、初めて会った時からあなたを・・・」
と言って立ち去ろうとする部下を・・・

引きとめて抱き寄せる妻
「あ、死んでも戻ってくると言っていたあなた、あなたなのね!」

いや、それ別人ですから!なんだこのビッチは!NTRか!

例えばさあ、オレが交通事故や重度のガンで死にそうなときに信頼できる人
(まあ、実兄・実弟・親友くらいの人だよね)に「妻子のこと頼む」と言って
死ぬとするやん、残された嫁がその人を「あの人の生まれ変わりだ!」とか言ったら・・・
勘違いも甚だしい!クソ嫁!クソビッチ!とか思うよね。



「こんなことをするためにあなたは生き残ったわけでは無い。
こんなことをすることをあの人は望んでない」と、
部下の贖罪の気持ちを開放するのが、妻の役目だろ~!
と自分は思ってました。



違和感と気持ち悪さだけが印象に残ったストーリーでした。
ホントに、こんな映画で泣けるの・・・?





さらに日本映画の弱点「台詞でクドクド説明する」「泣けるポイントでは、
登場人物たちも泣く」も、きっちりやってくれます。

ああ~。もったいない映画でした。

コメント

サップ
サップ
2014年2月3日20:12

まったく同じ感想です。

ガ0-
2014年2月4日8:06

サップさん、ありがとうございます~!

nophoto
名無し
2015年1月9日22:36



私はこれを見て特攻で日本の為に亡くなった人を侮辱してると思いました
私はこの主人公のような戦闘時に逃げ出して生き延びる人がいたなんて絶対に思えません

そしてみんな死んだら靖国で会おうと言っていたはずです
もし奥さんを手紙で任されたとしてもNTRなどせずお金だけ渡して生活を支えるんだと思いました。決してこのNTRした男のような方はいなかったと思います

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